ゴミ屋敷の掃除(片付け方)のコツ~原因とリバウンド対策~
「ゴミ屋敷を掃除したいけど掃除の仕方がわからない」「掃除で出た不用品の処分方法を知りたい。」
などと様々な疑問で悩んでいませんか?
ゴミ屋敷は単純に掃除(片付け方)ができないというだけでなく、心理的・社会的問題が深く関わっています。ストレスの多い現代社会、自分は大丈夫…と思っていても、ゴミ屋敷の当事者になるかどうかは誰にもわかりません。
こちらではゴミ屋敷になる原因から掃除(片付け方)のコツをご紹介します。掃除後にまたゴミ屋敷に戻らないためのリバウンド対策もご紹介しますので、最後までぜひご覧ください。
ゴミ屋敷になってしまうのはなぜ?
ゴミ屋敷は掃除すればいいと思っている人も多くいらっしゃいますが、理由を知らなければまたゴミ屋敷に戻ってしまう可能性があるのです。
掃除をすればいいという単純なことではなく、足の踏み場もなく異臭が立ち込めたゴミ屋敷になってしまう理由には心理的な依存や発達障害、寂しさを紛らわすためだと言われています。
ストレスの多い現代社会では、核家族化や高齢化が進み一人で暮らす高齢者も増えています。掃除(片付け方)がわからなくなってしまうのは、どのような状態であるのかゴミ屋敷になってしまう理由をくわしく見ていきましょう。
掃除が苦手なわけじゃない「掃除(片付け方)がわからない」
ゴミ屋敷になってしまうのは、単純に掃除が苦手というわけではないのです。
清潔な状態を保つには、適切な収納と掃除(片付け方)が大切なんですが、ゴミ屋敷に住んでいる人はこうしたことがわからない状態なのです。
世の中には収納や掃除に関する本がたくさんありますが、それを読んだからと言って「わかる」ようにはなりません。
ゴミ屋敷になってしまうのは、心理的な依存や発達障害などが関係していると言われています。買い物依存症や収集癖などの依存症または発達障害では、掃除をするといってもどこをどうしたらいいのか「見えない」状態なのです。
一人じゃさみしい…孤独からのゴミ屋敷化
近年、核家族化が進み高齢者の単身世帯が増えています。一人暮らしの高齢者で家族や地域との関わりをもたず生活を送っていると、ゴミ屋敷化してしまう可能性が高くなるのです。
ゴミ屋敷になってしまうのは、身体の自由がきかずに掃除がうまくできない…という理由もあります。しかし、高齢者世帯のゴミ屋敷化はさみしさを紛らわすためともいわれているのです。
昔は綺麗好きだったのに…と子供たちが久しぶりに訪れた際にゴミ屋敷になってしまった実家に驚くというケースも少なくありません。
たくさんの物に囲まれることで寂しさを紛らわすのは、高齢者に限ったことではなく、若い女性の一人暮らしでもゴミ屋敷となっているケースもあるのです。人と人とのつながりが薄いことは、気を遣わずに暮らせるので便利ではありますが、社会的に孤独になってしまうとゴミ屋敷になってしまう可能性が高まることを覚えておきましょう。
ゴミ屋敷を放置しておくことで起こること
ゴミ屋敷を掃除せずにそのまま放置しておくとどうなると思いますか?
ゴミにもいろんな種類がありますが、ゴミ屋敷にはありとあらゆるゴミが放置され、チリやホコリが積もった状態です。
そのような環境はカビや害虫が繁殖するのに最適なので、当然たくさんのカビや害虫が発生しますし、死骸やフンによって近隣住民へ迷惑をかけてしまいます。
また、カビやホコリによってアレルギーを発症するなど健康被害に及ぶ可能性もあるのです。
長い年月掃除をしていないことによる代償はこうした迷惑行為や健康被害だけでなく、積み重なったゴミの崩落や住宅倒壊の危険性も高まります。
こちらでは、ゴミ屋敷を放置する危険性についてひとつずつご説明しましょう。
害虫の発生で近所に迷惑をかけてしまう
ゴミ屋敷は掃除をせずに汚れているだけではなく、生ゴミなど腐敗した食品には害虫や害獣が発生します。
害虫や害獣はゴミ屋敷だけでなく、発生源を中心として近隣住宅へも飛来するものもいるのです。
そのため、いくら清潔を保っていてもゴミ屋敷があることで年中害虫や害獣に悩まされてしまいます。
さらに大量に発生するため、死骸やフンなどの悪臭も発生します。悪臭はゴミ屋敷だけでなく、住宅の外にまで漏れるため、近隣に住んでいると窓も開けられないという声も聞かれます。
健康被害
ゴミ屋敷を掃除しないままでいて積もったホコリの中には、無数の雑菌にくわえて、害虫の死骸やフンも交じっています。
もともと健康に自信のあった人でも、こうした環境下で暮らし続けていることによりアレルギーを発症してしまう可能性が高くなります。
また、汚れやカビもこうした健康被害のリスクを高めてしまうのです。ゴミ屋敷とはいわなくても、物を貯め込んで捨てきれなくなっている状態が続くとあっという間にゴミ屋敷となり、健康被害が及ぶ可能性が高くなります。
ゴミ崩落や火災など住宅倒壊の危険性も!?
ゴミに埋もれた室内ではもちろん生活家電を使っている人もいます。こうした生活家電のコンセントにホコリがたまってしまうと、火災の危険性が高まります。
また、長い年月を経て積もっていったゴミが崩落してしまい、その下敷きになってしまって身動きが取れなくなる可能性もあるのです。ひどいゴミ屋敷だと居住者の身長よりもゴミが高く積もってしまうケースもあるんですよ。
また、床に接しているゴミが腐敗すると床を腐食させます。一度腐食するとゴミを取り除くまで、どんどん腐食は進んでいき、住宅構造部分まで腐敗して住宅が倒壊してしまう危険性もあります。
ゴミ屋敷の掃除(片付け方)のコツってあるの?
ゴミ屋敷を放置しておくことは、あらゆる面において危険性が高いとおわかりいただけましたね。
通常の掃除(片付け方)ではキレイにならないゴミ屋敷。キレイにするにはしっかりと手順をふまえることが大切なんですよ。
積み重なったゴミを効率よく片付けるには、収納や整理よりもまず先に「使わない」ものを選別して捨てていくという作業から始めましょう。
「必要なもの」「不用なもの」「保留」と3つのカテゴリーに分けていくのです。では、効率よくゴミ屋敷を掃除するコツを手順とともにご説明しましょう。
掃除用具を準備しよう
数年かけて蓄積された汚れをキレイにするには、掃除用具も通常のものでは太刀打ちできません。
まずは自分自身を汚れや害虫から守るために、エプロン・マスク・手袋で装備しましょう。衣服は長袖や長ズボンなどできるだけ肌の露出を減らすのがおすすめです。
ただし、動きにくくなってしまっては掃除もしづらくなるので、そうした面も考慮して衣服は選びましょう。住宅内を掃除するといっても、ゴミの中を歩くわけですから当然靴を履いて掃除します。靴もゴミの崩落などを考えると厚手の長靴がおすすめです。
ゴミ袋は自治体によって指定が異なりますが、通常よりも多めに用意しておきましょう。ガムテープや紐は大量の衣類や本を処分するときに役立ちます。
そして、ゴミ屋敷の掃除ではゴミを片付けるたびに害虫と遭遇します。そのため、害虫駆除スプレーなどを携帯しておくのもおすすめです。雑巾は洗って再利用できないと考え、使わない衣類で代用しゴミと一緒に捨てると片づけも楽になりますよ。
使っていない部屋にあるものは「使わない」
ゴミ屋敷の掃除で大切なのは、掃除する部屋の順番を決めることです。
玄関を開けて人が通れないくらいゴミが積もっているなら、まずは人が通れるようにしなくてはいけません。
そうした場合には玄関からの掃除が適切ですが、庭にまでゴミがあふれている場合は内部のゴミを出す前に庭から掃除するのがおすすめです。
掃除できると通り道を最初に確保してから、中の掃除をすすめていきます。一つ一つの部屋を掃除するのですが、ゴミ屋敷の中で使っていない部屋にあるものは処分する方向で掃除しましょう。
掃除をしていると数年前に使っていた懐かしいものが出てきますが、数年間使用していなくても生活ができていたのなら、これから先も不用である可能性が高いのです。
使っていない部屋にあるものは、「使わないものは処分する」と強い意志をもって掃除をしましょう。
「必要」「不用」「保留」の3つのカテゴリーに分けていく
腐敗していたり、カビだらけだったり明らかに「ゴミ」とわかるものを処分したら、次は「必要」「不用」「保留」の3つのカテゴリーに仕分けていきます。
箱に入れていく方法もありますが、一目で物や量を確認するためにレジャーシートなど3枚広げて置いていくのがおすすめです。ここであまりにも「必要」なものが多すぎてもいけませんし、「保留」が多くてもあとからの判断に時間がかかってしまいます。
ゴミ屋敷となってしまった理由によっては、3つのカテゴリーに仕分けることさえ難しいこともありますよね。
懐かしい思い出やさみしい気持ちを理解した上で、これからの生活を前向きに考えられる力を付けていきましょう。想像よりも時間のかかる作業になります。辛抱強くしっかりと分けていきましょう。
ゴミ屋敷の掃除で出た不用品の処分方法
ゴミ屋敷の掃除が終わって不用品がたくさん出たら、次は不用品の処分方法について考えなければなりません。
家具や家電だけでなく、中には骨董品や美術品など価値の高いものもあるでしょう。こうした価値のある不用品は専門の鑑定に出してみましょう。予想外の値段がついたケースもあります。
街中のリサイクルショップやネットオークションへの出品もおすすめですが、価値があるのかわからない…大量の不用品をまとめて処分したいなら、不用品回収業者にまとめて依頼するのもおすすめです。
高価なものは専門の鑑定に出してみる
ゴミ屋敷を掃除したら、お皿や壺など高価なものが出てきて処分に困っていませんか。
骨董品や美術品の価値は素人では判断が難しいものです。不用だからといって捨ててしまうのはもったいないので、専門の鑑定士がいる買取店に鑑定を依頼しましょう。
稀ですがゴミ屋敷の中にあっても保管状態が良いものもあるんです。ゴミ屋敷から出たものだから…と思わずにまずは鑑定に出してみるのをおすすめします。
骨董品や美術品のほかにも、着物や宝石はもちろん、音楽機材やフィギュアも対象になります。価値がわからないけど玄人向けかも…?と思うのなら、ぜひ専門の鑑定に出してみましょう。
リサイクルショップに売る
地域にはいくつかのリサイクルショップがありますよね。大きなものから小さなものまで、あらゆる不用品を買い取ってくれます。よほど汚れていないものであれば、きちんと査定してくれますよ。
リサイクルショップによっては買取する際に、トラックなどで出張買取をしてくれるところもあります。ゴミ屋敷の不用品は大量にあるので、お店に持ち込むのは大変苦労します。出張買取をしてくれるリサイクルショップなら、こうした不便もなく手軽に処分ができるのでおすすめです。
ゴミ屋敷の掃除をする前に、電話をしておけば掃除後の不用品をスムーズに処分できますよ・
知識があるならネットオークションで売る
価値のわかる人に譲りたいなら、不用品の写真を撮影してネットオークションにアップしましょう。販売する価格は自分で決められますし、高額からスタートしても良いのです。
ネットオークションを利用するには、品数が多い中でどれだけ自分の商品を目立たせることができるのか、適切な価格で出品できるかなど魅力的に売るための知識がなければなりません。
不用品が落札されたら、発送も必要ですし手間がかかります。
しかし、査定買取よりも高値で売れる可能性も期待できますので、出品前にネットオークションや出品する不用品についての知識を深めておくとよいでしょう。
不用品回収業者に依頼する
ゴミ屋敷の不用品処分に手間をかけたくないなら、不用品回収業者を利用しましょう。不用品回収業者はネットでも探せますし、自治体が運営している業者もあります。
しかし、不用品回収業者はすべての不用品を回収してくれるわけではありません。
不用品のなかにエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4つの家電がある場合、不用品回収業者では引き取ってくれません。これら家電4品目は家電量販店で引き取ると法律で定められているためです。
また、不用品回収は「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けている業者へ依頼しましょう。許可を受けていない業者は回収した不用品を適切な方法で処分しない可能性があります。
ゴミ屋敷にリバウンドしないために3つの大切なこと
不用品を処分してゴミ屋敷を掃除したなら、キレイな状態を長く保ちたいですよね。
ゴミ屋敷にリバウンドしないためには、これからご紹介する3つの大切なことを守ってほしいんです。
まずは生活動線に沿った収納、そして必要以上に物を増やさないことがあります。
また、これまで近隣住民や地域とつながりを持たずにいたのなら、近所の掃除をするなどこまめに交流を持つことが大切です。
では、家も心も健やかに保つための大切なことを3つご紹介しましょう。
収納を工夫する
不用品を処分してキレイになった状態を長く保つには、生活動線を考えた収納が大切です。
生活動線は住宅内で人が動く道だとお考えください。生活動線とは別で家事動線というのもありますが、これは家事をする上で動く道になります。
生活動線は住宅の間取りやライフスタイルによって変わりますが、収納する物に「住所」を決めて収めることで出しっぱなしを防ぐことができます。
例えば、お風呂で使う石鹸が台所のシンク下に収納されているなど必要なときに手間がかかるようであれば、その物の収納には適していないと言えます。
部屋ごとにテーマを決めて、そのテーマのジャンルだけその部屋で収納するなど生活動線を考えた収納ルールを作りましょう。
物を増やさない
ミニマリストって聞いたことはありますか。暮らしていく上で必要最低限のものしか持たずに生活している人のことを指しています。
徹底したミニマリストになると、自宅の中には布団とテーブルだけという人もいるんですが、ゴミ屋敷からいきなりそこまで到達するのは現実的ではありません。
生活感やインテリアも楽しむことで、キレイを長持ちさせることができるんです。
ゴミ屋敷の掃除で「必要」「不用」「保留」と3つのカテゴリーにゴミを仕分けましたが、その仕分けで残った必要なものからできるだけ物を増やさないように心がけましょう。
暮らしていく上で必要な家電の購入は大切ですが、掃除後は「本当に必要なものか」と悩むことで本当に自分にとって大切な物や長く使える良い物を見極める力がついてくるでしょう。
こまめに交流を持つ
高齢者の一人暮らしでゴミ屋敷となってしまった場合、ゴミだけの問題ではなく認知症など病が隠れている可能性や、一人でどうすることもできない状態から自分を責めてしまい、あえてゴミの中での生活を選ぶ「セルフネグレクト」も少なくありません。
また身体が不自由になることで、害虫の発生やゴミの散乱に気づかないこともあります。
こうした状態を防ぐために、高齢者ぐるみの地域活動を積極的におこなっている自治体もあるのです。
高齢者自身でできることは住宅周りの掃除や、近所の散歩など地域の人々の目に触れることで気づいてもらうことも大切です。
地域のボランティアなど参加できるものがあれば、積極的に参加をしてこまめに交流を持つようにしましょう。
まとめ
ゴミ屋敷をキレイに掃除したいと思っているあなたに、ゴミ屋敷の掃除(片付け方)と3つのリバウンド対策をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
単純に掃除(片付け方)がわからないという問題ではなく、理由を理解した上で掃除をしなければゴミ屋敷にリバウンドしてしまう可能性もあるんですね。
ゴミ屋敷を掃除したい!という思いをしっかりと持って、最後に紹介した「3つの大切なこと」をぜひ実行していただけると幸いです。