不法投棄で警察は動かない?通報・相談・連絡する時のポイントを解説!

自宅の庭やマンションの敷地、畑や田んぼなどに不法投棄をされる―。このような腹立たしい被害は全国各地で見られます。

こうした被害を受けたとき、多くの人は警察に相談することを考えるでしょう。しかし、下のような点を疑問に思うかと思います。

  • そもそも警察が応じてくれるのか
  • 自治体に連絡する方がいいのか
  • ごみは自治体は警察が回収してくれるのか

この記事では、これらの疑問への答えも含め、「不法投棄に関する警察の対応」を、総合的にまとめていきます。「不法投棄の被害を警察に相談したい」という方には、きっと参考にしていただけるでしょう。

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不法投棄は警察に通報できる?

不法投棄は警察に通報することもできるのですが、基本的には「警察より自治体が中心」となります。その理由や詳しいルールなどを説明していきます。

捨てる現場を見たら警察に

不法投棄する男性

不法投棄は「捨てられた後」でなく、「捨てる現場」を見たときに、警察に通報します。これは沖縄県の下の公式ページでも書かれています。

※参考…不法投棄の通報について(沖縄県)

沖縄県は、下記のように書いています。

  • 一般廃棄物…市町村にご相談ください
  • 現に不法投棄を行っている現場を目撃した…警察に通報してください

警察への通報については、その他にも「緊急を要する場合」としています。

ほとんどのケースは市区町村に通報する

上の段落の説明のように、警察に不法投棄の通報をするのは「緊急の場面」です。逆にいうと、不法投棄を見つけた場合はほとんどのケースで市区町村に通報するということです。

東京都環境局は、公式の告知ポスターで通報先を一覧にしています。まず「産業廃棄物」については、下の場所に通報します。

  • 東京23区・島しょ部…東京都環境局
  • 多摩地域(八王子市以外)…東京都多摩環境事務所・廃棄物対策課・規制指導係
  • 八王子市…八王子市資源循環部・廃棄物対策課

少々正式名称が長いですが、要は多摩と八王子市のみ通報先が異なるということです。あとはみんな同じで「東京都環境局」です。

一般廃棄物の不法投棄

産業廃棄物でなく、一般家庭から出る粗大ごみなどが捨てられていた場合は、各市区町村の廃棄物・清掃部局に通報する、とされています。これは東京都のルールですが、他の都道府県でもほぼ同じと考えていいでしょう。

※参考…不法投棄を発見したら…(東京都環境局・PDF)

警察への通報でも、大抵は見にきてくれる

警察の人形

ここまで説明した通り「現場を目撃したのでない限り、不法投棄の通報先は自治体」です。しかし、警察に通報した場合でも、大抵は現場を見にきてくれるようです。

これは「不法投棄で警察は動かない?」の段落で解説しているので、そちらを参考にしていただけたらと思います。

不法投棄はどうやって防げばいいのか

不法投棄防止の対策としては、下のようなものが挙げられます。

  • 空き地や畑であれば、柵を付ける
  • 「不法投棄厳禁」などの立て看板を立てる
  • 可能であれば監視カメラをつける
  • 日頃から小まめに巡回し、手入れする

このように「とにかくその土地にかまう」ということが重要になります。理想は「そこに住んでいること」であり、離れた場所に不動産を持つほど不利になります。

自身の不動産を持ったことがある方は痛感しているでしょうが、不動産は「目を離す時間が長いほど、トラブルの危険性がある厄介なもの」なのです。場合によっては「不動産自体の売却」も検討するべきといえるでしょう。

不法投棄は警察に相談できる?

警察署

「そもそも不法投棄は」警察に相談できるものなのか?」という疑問もあるでしょう。実は、自治体や警察署によっては相談に乗ってもらいにくいこともあります。ここではその理由などを解説していきます。

「民事不介入」のため、動けないことが多い

警察には「民事不介入の原則」があります。これは「民事事件には関与しない」というものです。

事件には「民事事件・刑事事件」の2通りがあります。不法投棄は前者の民事事件で、後者の刑事事件は殺人・強盗などの「より重度な罪」です。

不法投棄でも、一定のレベルを超えると警察が動く刑事事件になることもあります。しかし、ほとんどのケースでは民事のレベルなので、警察は「動きたくても動けない」ことが多いのです。

頻繁に繰り返される場合は、相談に乗ってくれる

上のように書いたものの「何度も繰り返して不法投棄をされている」という場合は、警察も相談に乗ってくれることが多くなります。理由は下記の通りです。

  • 同一人物・組織の犯行である可能性が高い
  • 被害者に対して何らかの悪意を持っている可能性がある
  • その後、不法投棄以上の危害を加える恐れもある

要は「被害を未然に防ぐ」という考えです。あくまで「可能性」に過ぎないのですが、それでも相談すら受け付けないとなると、事件が起きてから「○○県警は何をしていたのか」という批判を受けてしまいます。

実際、ストーカー被害ではこのような事例が多くあります。「被害女性が何度も相談していたのに、警察がまともに取り合わなかった」ということが、殺人などが起きてしまった原因とされるケースは多いものです。

そのような事例もあるため「同一人物が繰り返している可能性が高い」と見られる不法投棄については、警察が相談に乗ってくれる可能性があると考えてください。

不法投棄への警察の対応の実例

パトカー

「実際のところ、不法投棄に警察はどう対応しているのか」「どこまで対応してくれるのか」ということが気になる方は多いでしょう。ここでは、各市区町村での警察の対応の実例を紹介します。

大阪市に寄せられた市民の声

不法投棄について警察がどう対応するかという実例は、市区町村に寄せられた市民の声などでも見ることができます。たとえば大阪市では、公式ページの問答で下のような事例が書かれています。

  • 3週間にわたり、家庭ごみの不法投棄が行われた
  • カラスがゴミを漁り、道路が汚れるなどの被害が起きた

まず、被害の概要は上記の通りです。そして、声を寄せられた方は3回通報したのですが、その3回の大阪市と警察の対応は以下の通りでした。

  • 1回目…大阪市から「回収はするが、不法投棄なので本来は警察に連絡してほしい」と言われた
  • 2回目…警察に連絡し、警察が確認した上で大阪市に連絡が行ったようで、回収された
  • 3回目…警察には「刑事事件でないから回収できない」といわれた。大阪市は警察からの連絡がないので動かなかった

要は、3回目の段階で、警察も大阪市も両方動いてくれなくなったということです。警察は「大阪市に言ってくれ」といい、大阪市は「警察に言ってくれ」というわけですね。

少々特殊な事例である

これは少々特殊な事例です。というのは、同じ場所で同じような不法投棄が3週連続にわたって行われたからです。3回目になったら警察も「これ以上は困る」と思うでしょう。他に殺人や強盗など、緊急に対処すべき事件に備える必要があるので、それは当然です。

これは明らかに「捨てた人間が悪い」のですが、かといって誰かがそのゴミを処分しなければ、カラスがゴミを漁るなどの被害が継続してしまうわけです。

大阪市はどう対応したか

大阪市に寄せられた声では「大阪市・警察のどちらかが回収する体制にしてほしい」ということでした。大阪市の返答は、謝罪はしているものの「個別の状況に合わせた対応となる」という内容です。

実際、2回目までは回収してくれたわけなので、「また3回以上になると厳しい」などの判断になるかと思います。

どうすればいいのか

この問題は非常に難しいものです。3週も連続で捨てるほどですから、捨てた人物に罪悪感はゼロでしょう。かといって、監視カメラをつけるなどコストのかかる対策は打ち出せそうにありません。

そうなると、誰かがボランティアで頻繁にゴミ捨て場を掃除する、巡回するなどして、少しでも不法投棄をしにくい体制にする必要があります。しかし「それでも捨てる」となったら、完全にお手上げです。

最終的には「民度の高い町やマンションに引っ越す」という選択肢しかないのかもしれません。身も蓋もない結論ですが、不法投棄の実例を見れば見るほど、そのような現実を痛感します。

※参考…不法投棄物回収の体制について(大阪市)

中津川市は行政・警察が積極的に連携

山林

大阪市の事例は上の段落の通り、「3回目ともなると、行政と警察が連携できない」という対応でした。一方、岐阜県の中津川市は、行政と警察が連携して、かなり強い態度で対応することを、公式サイトで示しています。

※参考…不法投棄は絶対にしない!させない!許さない!(中津川市)

上記の公式ページには「廃棄物の大小に関係なく、警察と連携して対応する」という内容が書かれています。特に「大小に関係なく」「警察と連携して」と明記されているところは、心強いといえるでしょう。

中津川市が強い態度で対応する理由

これはおそらく「山間部に近い自治体で、不法投棄が多い」ためです。当然ながら、不法投棄は町の真ん中ではしません。東京などは深夜でも人通りがあり、目撃されやすいためです。

一方、中津川市のような山に近い場所だと、不法投棄は用意になります。被害の件数があまりに多いため、市役所もこのように強く対応しているのだと思われます。

尼崎市は警察と一定期間の啓発で対応

兵庫県の尼崎市は、警察署と「一定期間啓発する」という対応をしています。具体的には、下のような赤い張り紙を、その不法投棄物に貼り付けるということです。

尼崎市画像引用元:不法投棄・よくある相談について(尼崎市)

見ての通り「現在警察と市役所で調査しています」という文言があるため、それなりの威嚇効果はあるといえます。これを一定期間貼り付けても撤去されなかった場合、公道や河川などであれば、市が回収します。

私有地については、残念ながら上記の張り紙による対応はないようです。このため、不法投棄をする人間は「わざとマンションなどの私有地に捨てていく」ということもあります。こうした人々は、このような分野での法律知識が妙に豊富なのです。

このように、他の市区町村と同じく尼崎市でも「私有地だと強い対応をしてもらえない」ことになります。しかし、場所によってはこういう張り紙をしてもらえるというのは、心強いことです。

不法投棄の被害届を警察に出す

警察署

「不法投棄をされたので、被害届を警察に出したい」ということもあるでしょう。特に自宅の庭や畑、マンションの敷地内などに不法投棄をされたら、そのように思うのが普通です。

ここでは、不法投棄をされたときに被害届を出すことについて「受け付けてもらえるのか」「どう書けばいいのか」などを解説していきます。

警察への届け出は行政も推奨している

不法投棄されたとき、警察に被害届を出すことは、行政も推奨しています。たとえば埼玉県北本市は、公式ページで下のような内容を記載しています。

  • 不法投棄は「廃棄物処理法」によって処罰される犯罪である
  • そのため、警察に被害届を出すべき

被害届が受理されるかどうかはわかりませんが、受理自体はされる可能性が高いでしょう。ただ、警察がどこまで動いてくれるか、動けるかは状況次第です。警察の方で他に優先するべき事件などがあれば、そちらが重視されるでしょう。

何にせよ、被害届を出すこと自体はできます。役所も推奨しているアクションなので、一定以上の不法投棄であれば、まずは被害届を出すようにしましょう。

※参考…私有地へ何者かに不法投棄をされてしまいました。どうしたらよいですか?

犯人がわかっていて連絡が取れる場合でも被害届が受理されない?

婦人警官

これは「弁護士ドットコム」に寄せられていた相談ですが、下のような事例がありました。

  • 私有地に電化製品を不法投棄された
  • 警察に通報して犯人がわかった
  • 犯人に撤去するように3回ほど連絡した
  • 犯人は撤去するといっているが、する気配がない

この状況で、相談者さんは被害届の提出を検討されているようです。それに対する弁護士の方々の回答は下のようなものでした。

  • 被害届を出しても受理されるかわからない
  • 受理されても、どこまで捜査されるかわからない

意外かもしれませんが、このように完全に犯人がわかっていて、犯人も不法投棄を認めているケースでも被害届が受理されないということがあるのです。最終的には状況次第、警察の判断次第ということになり、ある程度の「運」もあるのかもしれません。

市区町村が被害届作成の助言をしてくれることも

市区町村によっては、警察に出す被害届の作成をアドバイスしてくれることもあります。たとえば千葉県袖ヶ浦市は、公式ページで下のようなことを手伝うと記載しています。

  • 行為者特定のための証拠物件の収集
  • 被害届の書き方の助言

このため「被害届をどうやって書けばいいのかわからない」というときには、一度市区町村に相談してみるといいでしょう。袖ケ浦市だけでなく、他の自治体でもある程度は相談に乗ってくれる可能性があります。

逆に袖ケ浦市も「個人の土地に不法投棄された廃棄物の撤去は行いません」と書いています。最終的には「撤去は自力でしなければいけない」ということです。

不法投棄されたら警察に電話すべき?

電話する女性

不法投棄をされたとき、警察に電話するべきかどうか迷う人も多いでしょう。ここでは、実際の事例や警視庁の呼びかけの内容も踏まえて「警察に電話するべきかどうか」を解説していきます。

「環境犯罪」は積極的に通報を

通常の不法投棄は、警察でなく自治体に通報するものです。しかし「環境犯罪」に該当する内容だと、通報先は警察になります。

警視庁公式サイトの「環境犯罪」というページでは、下のケースを通報するように呼びかけています。

  • 不法投棄現場を見た
  • 絶滅の恐れのある野生動植物を販売しているのを見た

後者については、たとえばペットショップなどです。このような事案を見たら「通報に協力してください」と呼びかけています。

逆にいうと、これに該当しない「普通の不法投棄」については、原則「警察に電話する内容ではない」ということです。ただ、次の段落で解説するような例外もあるので、そちらも参考にしていただけたらと思います。

※参考…環境犯罪(警視庁)

不法投棄をして警察から電話がかかって来た事例

電話に出る男性

これは珍しいパターンですが「自らが不法投棄をして、警察から電話がかかってきた」という体験談もあります。内容を箇条書きすると下記の通りです。

  • マンションから引っ越しをした
  • そのとき、家具を積みきれなかった
  • その家具を敷地内に置いてきてしまった
  • 1ヶ月後、警察から「不法投棄をしましたか?」という電話がきた

なぜ1カ月かかったのかはわかりませんが、その間に警察がいろいろ裏付け調査をしていたのではないかと思われます。

不法投棄の通報で警察が捜査することがわかる

この体験談からわかることは、不法投棄が通報されたとき、警察が捜査する事例があるということです。「民事不介入」などのルールもありますが、この件では警察が動いたようです。

体験談を読む限り「刑事事件」というほど重い不法投棄ではありません。実際、弁護士の方々の回答を見ても「ほとんど重い処罰はないだろう」というものでした。ある弁護士の方は「そもそも罰金にすらならない可能性もある」と回答されています。

この件では「刑事事件」だった?

弁護士の方々の回答をみると、この件は「刑事事件」として捜査が進められていた可能性があります。理由は、回答の中に「検察が起訴しなければ…」という文面があるためです。

おそらく起訴されないのでしょうが、起訴が視野に入っているということは「刑事事件として調査が進んでいた」可能性があります。詳細はご本人や警察の担当者でないとわかりませんが、不法投棄が「刑事事件」になる可能性もあるということです。

不法投棄で警察は動かない?

警察署

不法投棄に関する体験談や口コミを見ていると「警察は動いてくれない」という内容もしばしば見られます。ここでは、警察は不法投棄に関して動いてくれるのか、くれないのかということを解説していきます。

通報した当日にさまざまな対応をしてくれた事例

ある方の体験談では、愛知県警が下のような対応をしてくれたそうです。

  • 実家の畑に不法投棄をされていた
  • 通報したら当日に捜査し、撤去してくれた
  • 腐敗が進んでいたためできなかったが、鑑識も試みた
  • 回収した後の対応もすべて細かく教えてくれた
  • 今後の対策も提案してくれた

その不法投棄の被害を受けた方も親御さんも、この愛知県警の対応には感動されたようです。特に「即日撤去してくれた」というのは大きいでしょう。

通報すれば撤去されるなら、警察に粗大ごみを片付けてもらえるのでは?

上の段落の体験談を見て、こう考えた人もいるかもしれません。「通報したら警察が片付けてくれるなら、最初から自分で捨てて通報すればいいのでは?」

実際、これは「できないことはない」といえます。もしかしたら、すでに実践している悪どい方もいるのかもしれません。

しかし、おそらく実行する人はほとんどいないと思います。

  • 自分で不法投棄という犯罪をおかす
  • の上で警察を呼んで堂々と調査を受ける

こんな大胆なことができる人は、百戦錬磨の犯罪者でもない限り存在しないでしょう。そして、そのようなレベルの人がわざわざ不法投棄程度で警察に顔や個人情報を調べられるようなリスクをおかすとは思えません(もっと重い罪を犯している可能性が高いので)。

そう考えると「自分で捨てて警察に通報して片付けてもらう」などという手口は「物理的には実行可能だが、精神的にはできない」といえるでしょう(街中で大声で叫ぶなどの罰ゲームと同じですね)。

防犯カメラに犯人が映っていても動かなかった事例

防犯カメラ

もう一つの事例は、逆に「警察が全然動いてくれなかった」というもの。その方はマンションの大家さんだったのですが、下のような事例でした。

  • マンションの敷地(駐車場)にソファを不法投棄された
  • 防犯カメラに、車と犯人の男性の映像が映っていた
  • 後日、近所でその車に一致する車を見つけた
  • 警察も「おそらくこの車の持ち主が犯人」と同意した
  • しかし、結局「捜査中」のまま進まなかった

警察がまったく動かなかったのかはわかりません。「動いたものの、事情聴取などのアクションを起こすほどの決定的な証拠はなかった」ということかもしれません。

実際、ブログの画像を見る限りは、その車のナンバーなどは正確にわかりませんでした。犯人と思われる男性が「私じゃない」と言い張れば、警察も何もできなかったかもしれません。

警察がその後のアクションを起こせなかった理由はわかりませんが、ひとまず「警察が動けるケースもあれば、動けないケースもある」ということは確かだといえます。

(なお、不法投棄ではありませんが、ソファの処分については下の記事で詳しく解説しています)

不法投棄の警察捜査はなぜ難しいのか

大型パトカー

不法投棄の被害を警察に連絡しても、捜査がなかなか進まないという声が多く聞かれます。ここでは、なぜ不法投棄の捜査は難航するのか、その理由を解説していきます。

「故意」の立証が難しい

不法投棄を警察が処罰するには、捨てた本人が「故意に捨てた」と証明できる必要があります。「偶然落としてしまっただけ」という場合は、その本人に回収させることはできますが、犯罪としての立件はできないのです。

推定無罪の原則

これは「推定無罪の原則」といい、基本的に「容疑者は無罪である」という原則で、裁判などが行われます。それを有罪とするには「有罪である証拠」を集めないといけないのです。

理不尽なようですが、これは冤罪を防ぐためにも必要なことです。昔の日本では「推定有罪」という「警察が有罪だと確信したら、その方向で強制的に自白させてもいい」という空気がありました(明文化されていたわけではなく、それが普通という空気がありました)。

こうした「推定有罪」と比べると、まだ「推定無罪」の方がマシなのです。被害者側としては納得がいかないでしょうが、このように「故意である」という立証が難しいといえます。

不法投棄のプロは「道路脇」に捨てる

このような理由から、不法投棄のプロほど「道路脇」に捨てます。廃墟や山林の中など「人に見られない場所まで入り込んで捨てる」というのは、いわば素人です。そのような場所に「偶然落ちてしまう」わけがないためです。

道路脇なら、どれだけ自分を特定されても「偶然落ちてしまった」と言い張ることができます。現場を目撃していない限り、誰もこの主張を覆すことはできないのです。

さらに完璧なのは「誰かが荷台に乗っていて、まるで偶然落ちたように落とす」ことです。これなら、近くでしっかり確認しない限り、誰かが目撃したとしても「偶然落ちた」という主張が通ることになります。

このように、不法投棄は「捨てる側が有利」になっています。被害者の方にとっては本当に腹立たしいことだと感じますが、これが現時点では日本の現実です。この状況はできるだけ早く改善されなくてはなりません。

犯人の特定も難しい

空き地

先に「故意」の方を説明しましたが、そもそも最初の段階の「犯人の特定」も難しいものです。家電製品のシリアルナンバーなどから特定しても、その人は「不用品回収業者に処分を依頼した人」ということが多くあります。

まさか不法投棄されるとは思わず、代金を払って預けてしまったということですね。このような事例が多いので、行政も「巡回型の不用品回収業者を使わないように」と通達を出しているのです。

(この点も含め、信頼できる不用品回収業者の探し方については、下の記事をご覧ください)

捨てた本人が「被害者のふり」をする可能性もあるが…

さらに上のケースについては、捨てた本人が「知らない。私は業者に任せただけ」などということもあります。もっとも、この場合はその人に処分させることが可能です。

  • まず「捨てた人間」が罪を負う
  • 捨てた人間がわからない場合「排出者」が罪を負う

上のようなルールになっています。捨てた人間は正確には「投棄者」といいます。「投棄者→排出者」という順番に、責任が移っていくわけですね。

そのため、このケースでは捨てた本人が被害者のふりをしたとしても、処分させることができます。逆にいえば「自分がそのような業者に処分を依頼して不法投棄された場合、排出者として責任を負わされる可能性がある」ということです。

(誰にとっても、このような違法業者は本当に迷惑な存在なのです)

「時効未成立」の特定も難しい

さらに「時期」の特定が必要となります。投棄されてから一定期間以上が経過したものについては、時効が成立してしまうためです。

この時効が未成立であるという証拠を示さなくては、犯人の処罰はできません。これについても「おそらくこの時期」という推測はできても「絶対にこの時期」と断言するのは、普通の廃棄物では難しいのです。

不法投棄はとにかく取り締まるのが難しい

こうして見ていくと、警察としても「なかなか捜査できない」という事情を理解できるでしょう。不法投棄は、実際に起きてしまうと取り締まるのが非常に難しいのです。

虫歯と同じで「ひたすら予防するしかない」ということですね(初期虫歯は、進行を止めることはできますが、回復することはありません)。

まとめ

オペレーターの女性

不法投棄に対しては、警察も役所もある程度の対応をしてくれます。しかし、この記事で書いてきた通りの理由で、その対応には限界があるのも事実です。

残念ながら不法投棄をされてしまったものについては、「所有者の方が自力で片付けるしかない」というパターンが多くなります。その場所に付きっきりで監視できればいいのですが、実際にはそのようなことはできません。

不法投棄された廃棄物を放っているうちに、さらに次の廃棄物が捨てられるということが多いのです。廃棄物がある場所を見ると、不法投棄をする悪人は安心して捨てるためです。

このため、どれだけ不本意でも、警察や自治体が回収してくれないのであれば、そのゴミを自ら片付けるしかありません。もしそれが「自力では処分できない」というものであれば、弊社のような不用品の回収業者をご利用いただくのがベストかと思います。

弊社としても、ごく一部の業者が不法投棄をするせいで、不用品回収業者全体のイメージが悪くなるというのは避けたいことです。回収業者のイメージを良くするためにも、誠心誠意、質の高いサービスを提供させていただきたいと思います。

費用やその他のご質問・ご相談は、何でもお気軽にお申し付けください。お見積りも完全無料ですので、他社と比較した上で弊社が一番良いと感じたら、ぜひお任せいただければと思います。

お見積りやご質問は、電話・メールで受け付けております。電話は土日も休まず9時~19時まで、メールは24時間365日対応しておりますので、ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

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